【AI音声対象記事】
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Q. 息子が大学受験の第1志望に合格できず、今春から第2志望の大学へ通うことになりました。ところが、受験失敗のショックで人生を悲観するようになり、不登校に。親として息子の立ち直りを手助けしたいのですが。(50代女性)
A. 息子さんのショックは相当なもので、まだ気持ちの整理がついていないようですね。その心の痛みを理解せずに、いろいろとアドバイスしても心には届かないでしょう。
とはいえ、親も共に悲観していては、彼は自分のせいで家族に迷惑をかけていると罪悪感を抱きかねません。共感は大事ですが、同情して共に倒れてしまってはいけません。
親にできることは、「人生には思い通りにならないことはいくらでもある」と捉え、どっしり構えて普段の生活を送ることです。それは、受験の失敗を軽視することでも、「仕方がない」と割りきって我慢することでもありません。
この道では、「自分の思い通りにならない出来事には、何か神様の思惑があるのではないか」「これは“節から芽が出る”のお言葉を実感できる人生のターニングポイントになるかもしれない」などと、前向きに受け取ることができます。
いまの息子さんには難しい受け取り方でも、人生経験の多い親にはそうした経験があるはずです。思い通りにならないことを前向きに受け取り、明るく生活していると、息子さんも次第に安定してくるでしょう。そうして親子の会話が増えてきたとき、あなたの実体験を交えた言葉が息子さんの心に届き、変化もまた表れてきます。
回答者:古市俊郎(福之泉分教会長・公認心理師)