年祭の旬の手引き – 道を楽しむ11
2023・7/12号を見る
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先日、5年ぶりに胃の内視鏡検査、いわゆる胃カメラを呑んだ。50代後半に差しかかると、同年代の仲間が大病を患った話や出直しの知らせを聞くこともあり、深い悲しみと言いようのない不安を抱く。わが身に気になる症状があれば、なおのこと放ってはおけない。
若いころから胃の痛みを感じては検査を受けてきたが、特に異状は見つからず、精神的なものと言われた。そう、私は見かけによらず繊細な心の持ち主なのだ。とはいえ、かしもの・かりもののこの体。自覚症状はあれど、原因は分かりかねるので、今回も受診した。
検査後のドクターの診察。いつもながら胃の中はピロリ菌を駆除した後のようなきれいな状態と、お褒めいただいた。どうやら私の胃は胃酸の分泌量が多く、胃がんなどの原因となるピロリ菌さえも住めないほどらしい。これにはドクターも苦笑い。しかし、喜んでばかりいられない。胃に問題がないのはいつも通りなのだが、「逆流性食道炎」と診断された。
神様の働きは実に不思議なもので、胃液は胃の中にあれば大丈夫なのだが、他所へ行くと傷つけてしまう。今回気になった胃の入り口付近の痛みや胸やけは、胃液が逆流して、胃近くの食道を傷つけていたからだった。
幸い軽い症状だったので、胃酸を抑える薬をもらう程度で済んだ。されど天の理からすれば、水は高い所から低い所へ流れるものであり、決して逆流することはない。胃液が逆流して食道を傷つける姿は、やはり天の理に反しているといえよう。
知らずしらずのうちに理に背くようなことをしてはいないか、胸に手を当てて考えた。胃酸が多いのは我の強さの表れであり、胃液が逆流するのは逆らいの心。あらためて自らを見つめ直し、お詫び申し上げた。
親神様は、私たち人間の心得違いを知らせようと、身上や事情にしるしを見せてお手引きを下さる。年祭という旬のさなかであれば、なおのこと。その親心をしっかりキャッチし、心を入れ替えることが大切であろう。
成人させてやろうと、たびたびお見せくださる身上や事情を振り返るにつけ、親心からの手引きに、つくづく感謝である。
中田祥浩 花巻分教会長