【AI音声対象記事】
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Q. 息子夫婦が第一子を授かり、お腹の子供は男の子だと分かりました。ところが、嫁は「男の子は乱暴で騒がしい」との思い込みからか、「可愛がれそうにない。女の子がよかった」と嘆いています。嫁の考えを改めさせたいですが。(60代女性)
A. 親の何げないひと言が子供の心を深く傷つけることがあります。この発言も子供には聞かせたくない言葉ですね。しかし、いまお嫁さんの本音が聞けたことは、これからの育児について、皆で考える良い機会になったと思います。
お嫁さんの思い込みともいうべき考えは、例外を示せば、ある程度は変わるでしょう。しかし問題は、もっと深いところにある気がします。もしかすると、お嫁さんは「育児は母親の仕事」「赤ちゃんは自分が育てるもの」と思っているのではないでしょうか。そのため、「もし男の子だったら私の手に負えない」「育てる自信がない」と不安を募らせ、怯えているのかもしれません。
それなら、お嫁さんの「育児不安」を少しでも軽くしてあげることが最も大事です。
「産む性」は女性に特有ですが、「育てる性」は男女ともにあります。「育児は夫婦二人で行うもの」と、息子さん夫婦の心にしっかりと治めてもらいましょう。
息子さんは父親として、いまから何をするのか、周りの人たちはどの程度支えるのか、具体的に相談しましょう。
お嫁さんが初めてのお産や育児を少しでも安心と期待で迎えられるよう、周囲の精神的・社会的支援で支えてあげてください。
回答者:古市俊郎(福之泉分教会長・公認心理師)