熱闘の末 全国大会準V – 天理高校軟式野球部
2023・9/6を見る
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天理高校軟式野球部は、先ごろ兵庫県明石市の明石トーカロ球場で開催された「全国高校軟式野球選手権大会」に出場。順調に勝ち進んだが、決勝で中京高校(東海代表・岐阜)に4‐6で敗れ準優勝となった。
今年のチームは、エース右腕の木村心粋投手(3年)を中心に、投手の層が厚く、鍛え抜かれた守備力が特長。「全国高校軟式野球選手権近畿大会」では、決勝で比叡山高校に2‐1で勝利し、全国大会出場を決めた。
接戦を勝ち上がり
同部の全国大会出場は5年ぶり17回目。2016年に初優勝を飾って以来、2度目の日本一を目指す。
初戦の茗溪学園高校(北関東代表・茨城)戦は、木村投手が相手打線を2安打に抑え、2‐0で勝利した。
準々決勝は、東東北代表の専修大学北上高校(岩手)。この試合も木村投手が先発し、9回まで零封。ところが、天理打線も快音響かず延長にもつれ込む。十回裏、森田恭介選手(同)がサヨナラヒットを放ち、1‐0で接戦を制した。
準決勝は東京代表の明治学院高校。天理高校は藤本大地投手(2年)と宇野健人投手(3年)が今大会の初登板を果たし、八回を無失点に抑えると、1‐1のまま延長へ。十回表、明治学院高校が得点し、1点ビハインドで天理高校の攻撃。先頭の山尾英作選手(同)がバントヒットで出塁すると、その後、2アウト満塁に。この場面で「(打てる)確信があった」という野村大雅選手(同)がレフト前にヒットを放ち、3‐2でサヨナラ勝ち。2戦連続で接戦をものにした。
決勝で対戦する中京高校は、昨年の優勝校。総得点数、チーム打率で天理を上回る“打のチーム”だ。
試合は四回裏、1アウト一、三塁のチャンスで、尾﨑洸太朗選手(同)がタイムリーヒットを放ち、天理高校が先制。その後、七回に木村投手が相手打線につかまり、4失点で逆転される。
天理高校は八回、ヒットを重ね、この日絶好調の尾﨑選手のライト前ヒットで4‐4の同点に追いついた。しかし、九回に6‐4と勝ち越され、準優勝となった。
木田準也監督(41歳)は「エラーが重なったことで、守備でテンポをつくり、接戦を制する自分たちの野球の良さを発揮できなかった。一方で、同点に追いついた打撃面など、選手たちは全国大会で大きく成長し、強いチームになった」と称えた。
石井昭郎キャプテン(3年)は「準優勝はうれしいが、負けた悔しさのほうが大きい。チャンスにもっと追加点が取れれば、流れを引き寄せられたと思う。後輩には絶対に日本一を獲ってほしい」と期待を寄せた。
なお、天理高校軟式野球部は今大会の成績が評価され、10月8日から鹿児島県出水市で行われる「国民体育大会」に出場する。