神の理を立てる – おやのことば・おやのこころ
2024年2月3日
おやのことば・おやのこころ
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人間の理を立ていでも、神の理を立てるは道であろう。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』74「神の理を立てる」
厳寒のおぢばで勤められた春季大祭に参拝した後、関西国際空港を出発し、真夏の豪州ブリスベンに到着しました。コロナ禍を経て、実に4年半ぶりの豪州への“帰郷”です。
教祖110年祭の直後からオセアニアの道に携わることになり、オセアニア出張所の開設に向けて準備を進めた1年後、「所長として赴任せよ」とのご命を頂きました。その際、「骨を埋める覚悟で渡豪するから、一生涯行かせてほしい」と懇願し、約束を取りつけて、妻と4人の子供を連れて赴きました。
以来、微力ながらもオセアニアの道のうえに精いっぱいつとめておりましたが、15年後、教祖130年祭の三年千日を前に、突然、所長の交代を命ぜられました。まさに青天の霹靂。大きな衝撃で頭の中が真っ白になり、人間思案から「あのときの約束は何だったのか……」と、思わず不足の心が芽生えたことは否めません。しかし、しばらくして「これも神様のご命。ご命ならば、神の理を立て、前向きに受けとめよう」との心が定まり、半年後、子供たちを残して妻と二人で豪州から引き揚げたのでした。
あれから11年半。離任直前に数々の不思議なご守護を頂いて神様を祀らせていただいたわが家で、長男夫婦と共に、4年半ぶりに講社祭を勤めることができ、喜びと感激のひと時を味わうことができました。
終了後、裏庭へ出ると、夜空に満天の星が輝いていました。星空を眺めながら、在任当時の日々を懐かしく思い出すと同時に、オセアニアの道の将来に思いを馳せたのでした。
(足立)