NZの名門校と親善試合 – 天理高校ラグビー部
2024・4/24号を見る
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天理高校ラグビー部は13日、ニュージーランド(NZ)のクライストカレッジ高校ラグビー部と親善試合を行った。
ラグビーを国技とするNZ。ラグビーの名門として知られるクライスト高は、国内で最も長い歴史を持つ私立の男子高校。卒業生の中には、NZ代表チーム「オールブラックス」でプレーし、その後は世界最高峰のリーグ戦「スーパーラグビー」で、ヘッドコーチ(HC)としてクルセイダーズを5回の優勝に導いた名将ロビー・ディーンズ氏(現・埼玉パナソニックワイルドナイツHC)などがいる。
このたびの親善試合は、同高コーチがジャパンラグビートップリーグ(当時)でプレーしていたことから、天理高校と連絡を取り合い、実現。同校が1stXV(Aチーム)と2ndXV(Bチーム)の両チームを率いて日本遠征を行うのは初めて。天理高校以外にも、石見智翠館高校などと親善試合を行う予定だ。
組織的プレーで奮闘
天理高校は昨秋「ジャパンラグビーリーグワン」でプレーした王子拓也氏(28歳・同部OB)が新HCに就任し、「全国高校ラグビー大会」に出場。3回戦では流通経済大学付属柏高校に1トライ差で敗れた。
王子HCは「選手たちは頑張ったが、日本一にはまだまだ遠い。フィジカルやアタック、ゲームへの理解度などを上げていかなければならない」と語る。
一昨年から、選手の自主性を高めるべく、練習メニューを考える「選手ファースト」を続けている同部。そのうえで、今年は新入部員が39人と多いため、選手同士のつながりを大切にしようと、スローガンに「繋がる」を掲げて練習に励んでいる。
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13日、天理高校ラグビーグラウンドで国際親善試合が行われた。
まず、Bチーム同士が対戦。先制トライを挙げた天理高校は、その後も鮮やかなパスワークと鋭いアタックでトライを量産、50-0と圧勝した。
次に、両校のAチームが対戦。この試合でも天理高校が先制トライ。体格の大きな外国人選手にもひるまず、二人がかりのダブルタックルでゴールラインを割らせない。前半を12-0とリードして終えた。
後半、クライスト高は作戦を変更。巧みなパスや長短のキックで天理高校の組織的な守備を乱してゴールに迫ると、連続トライで同点。その後も互いに激しいプレーで得点を奪い合い、17-17の同点でノーサイドとなった。
王子HCは「外国人選手と戦えたことは、選手たちの良い経験になったと思う。一方、試合の出来には満足していない選手も多いだろう。今日の経験を糧に、今後も小さな努力を積み重ねて、冬に向けて成長していけたら」と述べた。
この後、第38母屋でアフターマッチ・ファンクション(交流会)が催され、高校生のラガーマン同士で交流を深めた。
遠征のツアーディレクターを務めたスティーブン・ドッズ氏(59歳)は「天理のチームは選手が一つにまとまり、全員がチームのために戦っていたのが印象的だった。次回の海外遠征でも、ぜひ天理と戦いたい」と話していた。