天理時報オンライン

子供が育つ“魔法の言葉”- 心に効くおはなし


主人と私は、子育てと選手指導を同じように考えている。自分の子供に言わないことは選手にも言わないし、子供にやらないことは選手にもやらない。

そんな考え方の根本は、私の育った環境にあるのかもしれない。私と二人の妹は、両親からいつも褒められて育った。自信がつく言葉をたくさんかけてもらった。けなされたり、バカなどと言われたりしたことは一度もない。その教えは、私と妹たちに受け継がれている。

厳しく注意したり諭したりすることはあっても、その根っこには、人を褒めて育てたいという思いがある。

子供たちがケンカをして、お互いを「バーカ!」と言い合うと、私は必ず「ママはバカな子は一人も産んでいません!」と言う。「ブス!」と言うと、「ママはブスな子は一人も産んでいません!」。いつもこんな調子だ。

けなされて育つと、その子は人をけなすようになるだろう。ばかにされて育った子は、自信をなくし引っ込み思案になるはずだ。叱りつけられてばかりいると、子供は「自分はダメな子」だと思うに違いない。しかし、励ます言葉をかけると、子供は自信を持つようになる。しっかり見つめてやれば、頑張り屋さんになる。褒めてやれば、きっと明るい子に育つだろう。

子供が育つには“魔法の言葉”が必要だ。そんな言葉をかけながら、これからも「人」を育てていきたいと思う。

『高みをめざす幸せ』

金戸幸著(元飛込五輪選手)

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