天理柔道の指導法を学ぶ – フランス柔道指導者研修会
2026・5/20号を見る
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4月20日から24日にかけて、天理柔道順正館道場で「フランス柔道指導者研修会」(主催=フランス柔道連盟)が開かれ、現地で柔道の指導に携わる27人が参加した。この研修会は、同連盟に所属する指導者が柔道発祥の地である日本を訪れ、歴史的な背景や指導法を学ぶもの。近年、親里では春と秋に同連盟の研修を受け入れている。
天理柔道とフランス柔道連盟との関わりは、半世紀以上前にさかのぼる。
きっかけは、誕生間もない同連盟の初代会長が、当時、フランス・ナショナルチームのコーチを務めていた粟津正蔵氏を介して、中山正善・二代真柱様へ指導者の派遣を依頼したことにある。以後、親里から数多くの指導者や有望選手が渡仏した。
その後のフランス柔道界の発展は目覚ましく、これまでに国際大会で多くのメダリストが誕生した。フランスの柔道人口は日本の約4倍の約53万人で、柔道が1964年の東京オリンピックで正式種目に採用されてから半世紀以上が経った現在、柔道競技のメダル獲得総数が日本に次ぐ第2位の強豪国となっている。
ロサンゼルス五輪金メダリストで、現役引退後JOC(日本オリンピック委員会)の派遣でフランスにコーチ留学をした細川伸二・全日本柔道連盟副会長(天理柔道会理事長)は「天理とフランス柔道界の交流には長い歴史があり、その中で天理の柔道はもちろん、天理の文化が海外に広がり受け入れられていることは、本当に有り難いこと。研修会の開催は、二代真柱様が目指しておられた、スポーツを通じて陽気ぐらし世界を築いていくことにつながるので、この関係を末永く続けていきたい」と話す。
五輪メダリストが講師に
今回の研修会には、フランスのナショナルチームをはじめとする指導者27人が参加し、天理柔道の技術や指導方法を学んだ。
研修会の講師陣は、細川氏のほか、アトランタ・シドニー・アテネ五輪で3連覇を達成した野村忠宏氏、天理大学柔道部前監督の穴井隆将氏、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの中村美里氏など、天理の柔道家をはじめ、指導者としても活躍する著名な元選手たちが務めた。
期間中、参加者は講師陣から細かな指導を受け、投げ技や寝技の技術はもとより、指導の際の心構えなどを学んだ。また研修会後には天理大柔道部の練習に加わり、学生らと共に汗を流した。
参加者の一人、国際柔道連盟が主催する国際大会「グランドスラム」シリーズで銀メダルを3度獲得するなど、国内外の大会で活躍してきたアン・ファトゥメタ・ムバイロさん(32歳)は指導者1年目。このたび研修会に初参加し、「技を学ぶ際、基本から丁寧に指導してくださった。フランスとは異なる教え方が、とても良いと感じた。これからは、天理で学んだ指導法を常に意識したい。また、先生方は、力ではなく技術や身体の柔らかさを生かした動きで技を掛けていたので、それも忘れることなく伝えていきたい」と語った。












