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引退した競争馬と共に歩む元JRA調教師 角居勝彦さん – ヒューマンてんり人


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JRA(日本中央競馬会)調教師として数多くの優秀な競走馬を育て上げ、一昨年勇退。以前から取り組んでいた、引退した競走馬に新たな“居場所”を与える活動に尽力している。

石川県内の天理教を信仰する家庭に育ち、高校卒業後、北海道の牧場に就職。調教助手、厩務員を経て調教師となった。

2007年に自ら育てた競走馬・ウオッカが、牝馬として史上3頭目、64年ぶりに日本ダービーで勝利。その後もウオッカは、次々とG1レースを制し、その走りに多くの競馬ファンが感動する姿を目の当たりにしたことが、何よりの喜びだったという。

現在、自らの経験を生かし“馬と共に歩む取り組み”に着手。行き場のない馬の居場所として、石川県内の集落に厩舎を建て、将来的にはホースセラピーなど馬と人がつながる場づくりを目指している。「感情のやりとりは、神様が創造した生き物にしかできない。馬が人間を助ける場面は、まだまだある。馬によって人が喜ぶ顔を見ることができるのなら、それが自分に任された役割だと思う」