天高き空に心も晴れやか 運命が変わるをやの教え – 逸話の季
2023・10/4号を見る
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青空に高く浮かぶ白雲が美しい、さわやかな季節になりました。
今年の夏は暑い日が続いたせいか、いつも以上にさわやかな秋風の心地良さを感じます。もちろん、雨の日や風の日も親神様のご守護に満たされているのですが、特に今日のような快晴の日には、この世界に生かされて在ることの喜びが溢れてきます。
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明治18(1885)年10月、娘の足の痛みから信仰を始めた谷岡宇治郎は、間もなく胸を患い、お屋敷へ帰ります。教祖にお目通りさせていただくと「身上にしるしをつけて引き寄せた」とお言葉があり、着物を着替えて来るように言われました。翌日、服装を改めて参拝したところ、結構にさづけの理を頂き、不治とまでいわれた胸の患いもご守護いただきます。
感激した宇治郎は、その後、山里の家々をおたすけに歩き、やがてお屋敷で御用を勤めるようになりました。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』「166 身上にしるしを」
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「身上にしるしをつけて……」というお言葉が印象的な逸話です。家庭や仕事が順風満帆なときは、あまり目前の出来事の意味を深く考えることはありません。しかし、突然の不調や壁に突き当たると、人は「なぜ、どうして?」と原因や理由について考えます。とはいえ、こうした問いに納得できるシンプルな答えを見つけるのは簡単ではありません。なぜなら、ちょっとした体調不良や人間関係のすれ違いであっても、多くの場合、その原因には、さまざまな事柄が複雑に絡み合っているからです。
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突然「不治」といわれるような病に倒れ、途方に暮れた谷岡宇治郎は、教祖のお言葉を通して素直に病の意味を見いだし、深く安心するとともに、新たな人生の一歩を踏みだしました。無意味な不幸と思われていた出来事に、深遠な意味(神意)があると感じたとき、その出来事が運命を変える力になったのです。
教祖を通して伝えられた親神様の教えをもとに、目前の出来事に真摯に向き合うなら、人はいかなる場合にも絶望するのではなく、また前を向いて進むことができるのです。
■文=岡田正彦
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