イチョウ並木の親里大路が歩行者天国に 天理の魅力を発信するイベント盛況 – 「ほこてんり」
2023・11/22号を見る
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今年は夜間ライトアップも
親里大路のイチョウ並木の黄葉を楽しむイベント「天理イチョウ並木歩行者天国『ほこてんり』」(主催=同実行委員会)が、11月10日から12日にかけて行われた。
親里大路のイチョウは、昭和初期の道路整備の際、中山正善・二代真柱様の指示により街路樹として植えられたという。昭和49年、イチョウが天理市の市木に制定。平成6年には「新・日本街路樹百景」(読売新聞社主催)の「部門別五十景」にも選ばれ、秋の黄葉は親里の風物詩として人々に親しまれてきた。
昨年初めて実施された「ほこてんり」は、近年フォトスポットとして注目を集めている「親里大路のイチョウ並木」を活用し、天理の新たな魅力を発信しようというもの。天理大橋北詰から真南通りまで約500メートルの区間を歩行者天国にしたところ、多くの観光客が訪れ、SNSなどで大きな反響があった。
2回目の開催に当たり、同実行委員会は新たな試みとして10、11の両日、イチョウ並木の夜間ライトアップを企画した。
家族連れや外国人観光客など 3日間で1万人が秋の親里へ
11月に入ってからも最高気温が20度を超える日が続いた今秋。例年よりも葉の色づきがやや遅れていたが、「ほこてんり」初日の10日には気温が下がり、イチョウ並木は鮮やかな黄金色に染まった。
10日午後6時、小雨のなか「ほこてんり」がスタート。青年会本部の運営協力のもと、淡い黄色のライトに照らされたイチョウ並木が、夜の親里大路に浮かび上がった。
多くの観光客が訪れるなか、別席場前のシダレザクラを“サクラボール”と称して一般に紹介した人気写真家「wasabitool」こと藤浪秀明さん(47歳)も、この日撮影に訪れた。
藤浪さんは「以前、イチョウ並木を訪れたとき、『ライトアップされたら写真映えするだろうな』と思っていた。実際は想像以上に美しい光景で、思わず見とれた。親里大路が歩行者天国として開放されたことで、普段は撮れないような写真が撮れることに、写真家として大きな魅力を感じる」とコメントした。
翌11日の日中は、家族連れなど多くの来場者でにぎわい、黄金色のイチョウのトンネルにスマートフォンを向ける様子が見られた。
3日間の期間中、雨の時間帯もあったが、家族連れや外国人観光客など1万人を超える人々が秋の親里を訪れ、「ほこてんり」は盛況のうちに幕を閉じた。
来場者の一人、イギリス出身の留学生エマ・ジョーンズさん(24歳・堺市)は「SNSで知り、友人を誘って見に来た。イチョウ並木が街の風景とマッチしていて、一枚の絵のように美しく感じた」と笑顔で話していた。