【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
既報の通り、災害救援ひのきしん隊(=災救隊、橋本武長本部長)本部隊は、第19次隊(3月17~19日)をもって2カ月間にわたる避難所への食事提供に区切りをつけた。第20次隊(4月2~4日)からは、新たな宿営地のもと、被害甚大な珠洲、輪島の両市へ出動。ブロック塀の解体など、一般ボランティアでは対応が難しい現場での作業に尽力している。ここでは、第20次隊の活動を紹介するとともに、橋本本部長の談話を掲載する。
現在、4市町約6,700戸で断水が続いている能登地方。地理的要因によるインフラ復旧の遅れや、被災地を離れた住人が多いため被災者のニーズの把握が難しいことなどから、いまだ一般ボランティアの受け入れが進んでいない。
これまで災救隊本部隊は、珠洲市の和洋菓子店「メルヘン日進堂」、輪島市の鹿島大教会大輪布教所、七尾市の陸牧分教会信者宅、金沢市の教務支庁に宿営地を設け、珠洲、輪島、七尾の3市と志賀町へ出動。避難所の運営サポートや食事の提供、ブロック塀の解体などに従事してきた。
こうしたなか、第20次隊からは、輪島市の日本航空高校石川の校舎の一部を新たな宿営地とし、珠洲市災害ボランティアセンター、輪島市社会福祉協議会と協力して被災民家へ出動。珠洲市では災救隊新潟教区隊(吉澤清人隊長)が、輪島市では災救隊富山教区隊(中島正治隊長)が、それぞれブロック塀の解体作業に力を尽くしている。
◇
なお、第21次隊(5~7日)として、埼玉、長野の両教区隊が出動する。
(3日記。次号に詳報予定)
談話 能登の復興と被災者のたすかりを願って
橋本武長・災害救援ひのきしん隊本部長
地震直後、災救隊本部は、すぐに給水車や救援物資を現地へ送るとともに、被害状況の把握に努めました。
その中で分かってきたのは、多くの地域でインフラの復旧が見込めず、避難所生活は困難を極めているということでした。
そこで、初動救援として避難所の運営サポートと食事支援に専念することにしました。また、被害が広範囲にわたることから、複数の地域で宿営地を立ち上げました。
その後、災救隊の有する知識と技術へのニーズが高まってきたことから、第20次隊からは復旧支援を中心とした活動に着手することになりました。
いまだ地域によっては、インフラの復旧が進んでおらず、厳しい状況が続いています。
能登の復興と被災された方々のたすかりを願って、今後も救援活動を続けていきたいと考えています。