年祭活動――ぢばに伏せ込む – リポート「おやさとひのきしん」
2023・6/21号を見る
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報恩感謝の心で実動する教友たち
教祖140年祭へ、ぢばに伏せ込みの種を蒔く――。親里では現在、ひのきしんを希望する団体・個人に対し、「おやさとひのきしん」の受け入れを実施している。三年千日の年祭活動が本格的に始まるなか、おぢばでは連日、本部神殿や神苑、お茶所、おやさとやかた周辺などで、教友たちがひのきしんに勤しんでいる。“成人の旬”に、報恩感謝の心で実動する教友たちの姿をリポートする。
晴れやかな気持ちで
5月の本部月次祭当日の午後、唐橋分教会(大藪幹男会長・京都市)と部内教会の教友約30人が、お茶所周辺で除草ひのきしんに勤しんでいた。
同教会の教友は、2022年9月から毎月、「おやさとひのきしん」を続けている。
教友たちと和気あいあいとひのきしんに取り組むのは、大﨑恵さん(73歳・東宇治分教会ようぼく・京都府宇治市)。5年前、「急性狭心症」の発作により命も危ぶまれたが、奇跡的に回復した。
「親神様のご守護を実感した。ご恩報じのひのきしんを」と思っていた矢先、新型コロナウイルスの感染が拡大し、教会行事に参加できなくなった。
こうしたなか、コロナの感染状況が落ち着き、このたび、ひのきしんへの参加がようやく叶った。
大﨑さんは「今日まで無事に生かされていることへの感謝と喜びを胸に、ひのきしんをさせていただいた。これからも、ようぼくとしての務めを果たせるよう心を磨いていきたい」と笑顔を見せた。
一方、仕事に都合をつけて帰参した登山武弘さん(61歳・唐橋分教会ようぼく・京都市)は信仰初代。お道の教えを知る前から「人と助け合って生きていきたい」との思いを抱いていたが、周囲の人に理解されずに悩んでいたという。
そんななか2年前、天理教信者と交友を持ち、自身が身上を患った際におさづけを取り次いでもらったことをきっかけに、お道に興味を持った。
以後、「たすけあい」の教えにふれる中で、「居場所を見つけたように感じた」。昨年、ようぼくの仲間入りを果たしてからは、自教会の月次祭参拝と毎月の「おやさとひのきしん」への参加を欠かさないという。
登山さんは「おぢばでひのきしんをすると、なんとも言えない晴れやかな気持ちになり、もっとひのきしんを、と思う。これからも教えを求め、ようぼくとして、人のために尽くしていきたい」と語った。
節を忘れず恩返しへ
5月28日、おやさとやかた東棟周辺に社大教会(小林靖広会長・兵庫県加東市)の教友150人が参集。熊手などを手に、広場や植え込みの除草に取りかかった。
参加者の一人、松井正道さん(62歳・播大分教会播富久布教所長・兵庫県小野市)は、2年前の10月末に体調不良となり、病院を受診したところ、「骨髄性白血病」と診断。医師から治療困難と告げられた。
入院直後、所属教会につながる信者や、修養科で同期だった教友たちが身上平癒のお願いづとめを勤めてくれた。松井さんは突然の大節に心を倒しかけたが、「教会の信者さんや教友たちのおたすけの心に感激した。とても心強く感じ、それからは安心して入院生活を送ることができた」と振り返る。
同じころ、自身の妹と白血球の型が一致していることが判明。骨髄移植を経て、身上の発覚から約半年で退院できるという鮮やかなご守護を頂いた。
その後、しばらく思うように身体が動かせない中も、所属教会の月次祭に参拝し、感謝の心でおつとめを勤めた。
松井さんは「節を通じて、かしもの・かりものの教えに、あらためて思いが至った。いま健康な体を使わせてもらえることを感謝しながら、心地よい汗を流すことができる。この節を生涯忘れないよう心に刻み、親神様・教祖をはじめ、周囲の人たちに恩を返していきたい」と話した。
教えを実践するうちに
同日、豊田山墓地では陽晃分教会晃栄理布教所(堀健一所長・大阪府阪南市)の教友たちがひのきしんに励んでいた。
同布教所では、2022年の「諭達第四号」の発布後、年祭活動の一環として、豊田山墓地の清掃を毎週実施している。この日、参集した教友たちは、竹箒を手に階段やその周辺の落ち葉を掃き集めた。
「親神様・教祖は、私が予想もしなかった幸せな光景を見せてくださった。報恩感謝の思いで精いっぱい掃除したい」
そう話すのは、東野紀恵さん(48歳・同布教所教人・大阪府高石市)。9年ほど前、児童養護施設で働いていたときに知り合った堀所長(57歳)から、「人だすけについて学ぶことができる」と声をかけられ、お道の教えを聞いた。その後、おぢば帰りを重ね、別席を運ぶたびに、普段の自らの心づかいが陽気ぐらしとかけ離れていることに気づき、「目からうろこが落ちる思いがした」。日常生活の中でお道の教えを意識して実践するようになると、夫婦仲が改善されたり、断絶していた親族間の関係が修復される兆しが見えたりと、数々の喜びが表れてきたという。
2年前からは、お道の教えを一人でも多くの人に伝えようと、平日の朝、自宅近くの駅前で路傍講演や神名流し、リーフレット配りを続けている。
こうしたなか、布教所による「おやさとひのきしん」が始まってからは、「まずは親里で種蒔きを」と、毎回欠かさず参加している。
東野さんは「初めは人だすけについて学ぼうとお道の教えを求めたが、これまで自分がたすけてもらうことばかりで、親神様・教祖の親心の有り難さを実感してきた。年祭へ向かう三年千日、これから報恩感謝の行いに努めていきたい」と話した。
(おやさとひのきしん取材班)
「おやさとひのきしん」の様子をご覧いただけます。