九ッ こゝまでついてこい
十ド とりめがさだまりた
「みかぐらうた」一下り目
オニユリ
教会の月次祭のお下がりを毎月お届けしている訪問先の中に、70代男性のSさん宅があります。お一人暮らしですが元気な方で、庭の小さな畑を耕しては、季節ごとにさまざまな野菜を作っています。つい先日もナスやトマト、ピーマンといった取れたての夏野菜を頂き、早速お供えさせてもらいました。
ビルやマンションの間に、こぢんまりと広がる野菜畑は、さながら都会のオアシスです。好奇心旺盛なSさんは、日ごろから専門書やインターネットで野菜作りのノウハウを調べては、試行錯誤を重ねています。時には失敗もあるそうで、「今年はキュウリが全然だめだったよ」と苦笑いしていました。
先般、九州北部で相次いだ大雨で水害に見舞われた地域では、収穫間近の野菜が全滅したとの報道も見られました。近年の充実した設備や優良な肥料を使って農作物を育てても、ひとたび自然の猛威にさらされれば、にわかに収穫の見通しは厳しくなります。まして「みかぐらうた」を教えてくださった時代に作物の「とりめ」(取れ高)が安定することの重要性を考えれば、当時の人々にとって、教祖の教えはどれほどありがたく、頼もしく感じられたことでしょう。
先日、Sさんから「今年はサツマイモを植えたから、子供たちをイモ掘りに連れておいで」と声をかけていただきました。秋の収穫シーズンが、いまから楽しみです。
(榊)