浸水被害の地域で復旧作業に力尽くし – 災救隊奈良教区隊
6月26日、近畿地方に接近した台風7号および8号の影響により大雨に見舞われた奈良県内では、床上・床下浸水や住宅の一部損壊など計170棟を超える住宅被害が発生。こうしたなか、災害救援ひのきしん隊(=災救隊、冨松基成本部長)奈良教区隊(植田一平隊長)は、生駒市災害ボランティアセンターの要請を受けて、被害全体の7割超を占める同市へ出動。浸水した民家の床板はがしや流入した土砂の撤去などに力を尽くした。また、生駒大教会は同市社会福祉協議会の要請を受け、大教会の施設を災害ボランティアセンターの会場として提供した。
奈良県生駒市では26日朝、1時間に70ミリを超える記録的な大雨を観測。市内を流れる一級河川の竜田川が氾濫し、低地を中心に床上約80棟、床下約50棟の浸水被害が発生した。
大雨から1週間が経つなか、竜田川沿いの住宅の周囲には流木や泥だらけの家具などの災害ごみが積み上げられている。
奈良教区隊は7月1日、植田一平隊長(49歳・中和大教会長・大和高田市)を含む4人の隊員が、中川徳弘・同教区災害対策委員長(64歳・生駒大教会長)と共に被害状況を確認。現地での被災者支援の必要性を認識したうえで、生駒市社会福祉協議会(=社協)が災害ボランティアセンターを設置した後、3日から15日にかけて出動することを決めた。
以後、隊員たちは水害に遭った家屋の実地調査や、災害ごみの運搬に従事したほか、ボランティアセンターが「一般ボランティアには対応が難しい」と判断した現場へ出動し、浸水被害に見舞われた家屋の復旧作業に取りかかった。
例のない水害に対応して
7月9日、ボランティアセンターに寄せられた依頼に応え、竜田川から約5メートルにある民家へ。現在、他県に避難している住人の50代夫婦によると、被災当日、朝食を食べようとしていたところ、瞬く間に床上50センチまで水が押し寄せてきて、1階の家財道具が使えなくなったほか、床下に大量の泥が流入したという。
梅雨明けが発表され、気温が32度を超えたこの日。隊員たちは乾いた砂埃が舞うなか、床板はがしに汗を流した。また、家屋の床下に堆積した土砂をスコップで土嚢に詰め、手際よく何度も屋外へ運び出したほか、住人の要望を受けて、内壁の板を電動丸ノコギリなどを使用して丁寧に除去した。
住人の夫婦は「ここに住んで30年が経つが、ここまでの災害を経験したのは初めて。想定外の事態に、復旧作業を進めようにも自分たちだけではどうにもできず、困り果てていた。災救隊の皆さんが率先して作業してくださったおかげで、復旧への道筋が見えてきた。本当に感謝している」と話した。
同隊は、翌日以降も災害ボランティアセンターに寄せられた住民のニーズに応えて、復旧作業に従事した。
生駒市社会福祉協議会事務局長の中村光延さん(64歳)は「生駒市で、これほど規模の大きな水害は過去50年を見ても例がない。連日寄せられる多様な要望への対応が求められるなか、災救隊の皆さんには、一般のボランティアでは対応できない技術と知識を要する現場を担っていただいた。被災者からは『本当に助かった』といった喜びの声が数多く寄せられている。災救隊との連携を今後も強めていきたい」と述べた。
植田隊長は「生駒市ではこれまで大きな災害がなく、多くの方々が『まさか』という思いで不安を抱えておられただろう。私たちの作業を通じて少しでも安心していただけたのであれば、大変うれしく思う。出動は15日でひと区切りとなるが、今後も支援の要請や地域で災害が発生した際は、被災者の心に寄り添い安心してもらえるよう、日ごろから訓練とひのきしんに励んでいきたい」と話した。
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なお、13日間で延べ101人が出動し、被災家屋の復旧作業などに従事した。
社協の要請受け 施設を提供
生駒大教会
このたびの生駒市で発生した大雨災害では、7月3日に災害ボランティアセンターが開設された。その際、同市社会福祉協議会から要請を受けた生駒大教会が、食堂や駐車場など施設の一部をボランティアセンターの会場として提供した(写真下)。
同大教会食堂には事務局が設けられ、社協職員と一般ボランティアが作業内容や役割分担などを確認する打ち合わせ場所として利用された。また、作業終わりの職員やボランティアが利用できるよう大浴場も開放した。
社協事務局長の中村さんは「生駒大教会の皆さまの温かいお心づかいがあったからこそ、生駒市社会福祉協議会として初めて開設した災害ボランティアセンターの運営を円滑に進めることができた。感謝したい」と述べた。
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