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天理大学ラグビー部のスローガン「一手一つ」の意味は? – 身近で聞いた素朴な問いにWAKUさんがお答えします


イラスト/なんばなつこ

「この冬、天理大学ラグビー部が素晴らしい活躍を見せ、初の日本一になりましたね。チームスローガンは『一手一つ』だそうですが、どういう意味ですか?」と、理髪店のお兄さんに聞かれました。

「一手」にも「一つ」にも、「同じ」という意味合いがありますが、もちろん皆が同じ動きをするということではありません。ポジションによって役割が違うだけでなく、体格はもとより、能力も性格も異なるメンバーが、各自の持ち味を存分に発揮し、同じ目標に向かって心を一つにすることを、天理教の教えである「一手一つ」という言葉で表しているのです。

天理教の原典の一つ「おさしづ」に、「一手一つに皆結んでくれるなら、どんな守護もする」とあります。私たちの日常において、何事も心を一つに結び、持ち場立場において精いっぱいの働きをするところに、親神様が素晴らしい結果をお見せくださるということです。

また、『天理教教典』には、「いかに多くのものが相集つても、一手一つの理を欠くならば、親神に受け取つて頂けない。人皆、相互に一つの道の理に心を合せ、互立て合い扶け合うてこそ、陽気にくら勇んで生活して行ける。真の陽気ぐらしは、ここに全うされる」とあります。信仰生活において、一手一つはとても大切な心得だということが分かります。

天理大学ラグビー部は、応援してくださった方々への「恩返し」として、日本一になって喜んでもらいたいと、キャプテンを中心に、全部員がそれこそ一手一つになって、見事に目標を成し遂げました。彼らのこれまでの努力と、一手一つの姿を、親神様がお受け取りくださったのだと思います。

私たちも彼らを見習って、しっかりと務めを果たしたいと思います。


西村和久(天理教一筋分教会長)