天理時報オンライン

春の日差しに見守られ


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一列に並んだ小学生の、にぎやかな声が往来を通り過ぎます。黄色い帽子は新一年生でしょう。自分の背中より大きいランドセルを背負い、おぼつかない足元を見ながら、少し頬を膨らませて一生懸命歩いています。小さな身体で人生の節目をしっかり受けとめて前へ進む姿に、思わず「がんばってるね」と声をかけたくなります。

見上げれば、春の暖かな日差し。いつもと変わらぬ太陽がニコニコと微笑んでいます。「年度が替わった」などというのは人間の都合で、特別な日差しが降り注ぐわけでもありません。同じように東から昇って西へ沈む太陽です。子供たちが生まれた日も、そして成長したいまも、変わることなく私たちを見守り、海山の恵みを与えてくれています。

その自然に感謝するのも、なんとも思わず当たり前に過ごすのも、また人間次第です。願わくは、自然に感謝できる豊かな心を持った人に成長してほしい――そう思いながら、子供の列を見えなくなるまで見送りました。

Cha