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ノウハウ生かし社協に協力 – 新潟教区隊
「令和6年能登半島地震」により、最大震度6弱を観測した新潟県では、全・半壊、一部損壊などの住宅被害が4千500棟以上に及んだほか、ブロック塀の倒壊被害が相次いだ。
なかでも新潟市西区では、地盤の緩みなどにより地下水と土砂が噴き出す「液状化現象」が発生。道路の陥没や地面の隆起などによる被害が広がっている。
1日の地震発生直後、災害救援ひのきしん隊(=災救隊、橋本武長本部長)新潟教区隊(吉澤清人隊長)は、管内の教会や「新潟県災害ボランティア調整会議」と連携し、県内の被害状況の把握に奔走。3日には、特に被害の大きかった新潟市西区の社会福祉協議会(=社協)のミーティングに出席し、同区社協職員と今後の対応について相談を重ねた。
この後、これまで国内各地の被災現場へ出動した実績のある同隊が持つノウハウを生かし、ボランティアセンターの立ち上げと運営に協力。さらに、10日から12日にかけて第1次隊の出動を決定した。第1次隊は、同区内の一般のボランティアでは対応が難しい現場での復旧作業を一任された。
活動初日、隊員たちは現場に到着後、倒壊したブロック塀の撤去作業に着手。雪が降るなか、脆くなった塀を電動ドリルやハンマーで解体した後、2トントラックで集積場へ運搬した。
11、12の両日は、ボランティアセンターのニーズに応え、液状化現象が発生した地域へ。民家の敷地や道路の側溝に溜まった土砂をスコップでかき出し、土嚢に詰めるなどして被害の拡大を防いだ。
吉澤隊長(49歳・新津分教会長)は「被災者への支援はもとより、一般ボランティアを受け入れる際のアドバイスなど、社協側への支援にも迅速に取り組むことができた。被災者の中には精神的・身体的に憔悴している人も少なくないため、救援活動の際には“心の声”に耳を傾け、労りの声をかけるなど、おたすけの精神で寄り添うことを大切にしている。被災した人たちが一日も早く元の生活に戻れるよう、全力を尽くしたい」と話した
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なお、3日間で延べ64人の隊員が出動し、同区内12件の現場で復旧作業に従事。運搬したブロック塀は14.8トン、搬出した泥は土嚢1,850袋分に上った。(17日記)
ニーズに応え被災民家へ 富山教区隊
最大震度5を観測した富山県では、各所で断水や液状化現象が発生し、多くの地域が泥水の噴出による浸水被害に見舞われた。現在も、氷見市内では130戸で断水が続いている。
災救隊富山教区隊(中島正治隊長)は、氷見市のボランティアセンターの要請を受け、10日から12日にかけて出動した。
初日、液状化現象が発生した地域の民家へ急行。隊員たちは、民家の敷地内に堆積した土砂をスコップで土嚢に詰めた後、軽トラック3台で仮設の集積場へ運んだ。
11、12の両日も同市内の民家で復旧作業に尽力。地震で倒壊したブロック塀をハンマーで砕き、鉄筋は電動工具を使って切断するなどして取り除いた。
中島隊長(53歳・水松分教会長)は「被災民家の住人の方々に大変喜んでいただいた。土砂や瓦礫の撤去には、まだまだ人手が必要な状況だ。今後も地域のニーズに応えた救援活動を続けていきたい」と話した。
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なお、3日間で延べ25人の隊員が同市内の民家4軒へ出動。約500キロの土砂と約3トンのブロック塀の瓦礫を撤去した。(17日記)