40年前の帰参に思いを致して – 視点
2026・4/29号を見る
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米国とイランの対立激化に加え、イスラエルと周辺武装勢力との衝突が続き、中東情勢の緊張は依然として高い水準にある。停戦に向けた外交努力が重ねられているものの、民間人被害の拡大により人道危機への懸念は強まっており、国際秩序の不安定化も指摘されている。
こうした情勢はエネルギー市場にも深刻な影響を及ぼしている。とりわけ「エネルギーの大動脈」と呼ばれるホルムズ海峡では、輸送不安が強まっている。世界の原油消費の約2割が同海峡を通過しており、中東依存度の高い日本にとっても影響は甚大である。原油供給の不安定化はガソリン価格の上昇を招き、石油製品全般へと波及し、手袋などの医療資材にも至る。
その余波は筆者の住むブラジルにも及んでいる。エネルギー資源の輸入依存度は日本ほどではないが、同国においてもガソリンや軽油の価格上昇は避けられない。
一方で、より切実な問題として現れているのが、ブラジル教友によるおぢば帰りへの影響である。近年、ブラジルから日本への渡航は中東経由の航空路が主流だが、3月から4月にかけては情勢不安のあおりを受けて航空便の欠航や変更が相次ぎ、帰参を断念せざるを得ない例も生じている。
コロナ禍以降、需要回復と国際情勢の影響を受けて、ブラジルからの帰参費用は上昇傾向にある。それでも、約40年前には往復で70万円前後(当時の貨幣価値)とされていた航空運賃と比べれば、負担は軽減されているといえる。当時は教祖100年祭への参拝のために自家用車や家を手放して渡航費を工面したという話も伝えられている。そのころの帰参者の覚悟に思いを致せば、いまはありがたい時代である。
「おさしづ」に「このやしき、四方正面、鏡やしきである。来たいと思ても、来られんやしき。来た者に往ねとは言わん、来ん者に来いとは言わん」(明治20年4月23日)と諭される。
現状を当たり前と思わず、気を引き締めておぢばに帰らせていただきたい。
(村田か)








