この世界と菌の世界 – 視点
2026・6/24号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
以前、「かしもの・かりもの」の理解を深めようと、宇宙や地球環境、体の働きなどについて調べていた際、大変面白いことを知った。私たちの体には、およそ40兆~1000兆個(約1000種類、全身で重さ約1~1.5キロ)の細菌が存在し、主に腸、口、皮膚などに密集して生息しているそうだ。人体に住む菌は常在菌と呼ばれ、ヒトと共生して栄養を作ったり免疫機能を調整したりして、健康や生命維持において重要な役割を果たしている。自分の体は一つの命だと思い込んでいたが、この体の中で菌という数えきれないほどの生命と共存していることを知った。さらに、菌には病気の原因になるなどのマイナスイメージがあるが、実際は地球上の菌のうち、人間に害を与える割合は全体の0.1パーセントにも満たず、地球環境もこれら細菌の働きによって維持されているのである。まさに何事にても、この世は神の体である。親神様の精微なご守護の深遠さを感じずにはいられない。
そして、腸内にある100兆個以上もの細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の三つに分類され、その割合は「2対1対7」に保たれている。悪玉菌は増えすぎると問題だが、たんぱく質を分解して消化・吸収を助けたり、病原菌の侵入を防ぐ刺激を善玉菌に与えたりする大切な役割も果たしている。まさに「必要悪」というものは、菌や人体の世界にも存在するのだ。
さらに面白いのは、全体の7割を占める「日和見菌」の存在である。日和見菌はその名の通り、普段はどちらの働きもしないが、優勢なほうの味方につく性質がある。善玉菌が優勢なら善玉菌となり、悪玉菌が優勢なら悪玉菌になる。人体の状態によって立場を変えることで、全体のバランスが絶妙に保たれているという。
ここでふと思った。人間の世界も同じではないだろうか。私たちの社会も人のために誠実に喜び勇んで生きる善玉が2割、利己的で不平不満で生きる悪玉が1割、そしてそれらに影響を受けて、良くも悪くも生き方が変わる日和見が7割というバランスで成り立っているのかもしれない。さて、私はいま、何菌なのだろうかと考えさせられる。
(田邊)










